当研究所の相場大佑 主査研究員の研究成果が、日本古生物学会刊行のPaleontological Research誌に掲載されました。
今回の研究では、北海道北西部小平町・苫前町・羽幌町に分布する中生代白亜紀サントニアン期(約8630万〜8360万年前)の地層から新種の異常巻きアンモナイトの化石を発見し、Eubostrychoceras perplexum(ユーボストリコセラス・パープレクサム)と命名しました。
新種は殻に突起がないという特徴から、ユーボストリコセラス属に分類されましたが、形態や成長パターンは近縁の別属であるハイファントセラス属の種に似ており、その系統に由来する可能性があります。分類上の定義と推定される系統が一致しない今回の新種は分類体系の例外的存在である可能性があり、現在の分類基準の妥当性に一石を投じるものです。
また、和歌山県有田川町から過去に採集され、和歌山県立自然博物館に保管されていた1個体も新種と同種であることが確認されました。このことから、新種は両地域の地層の詳細な対比において有用である可能性があることがわかりました。
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論文著者: Daisuke AIBA (相場 大佑;深田地質研究所)
掲載雑誌: Paleontological Research, vol. 29, 182–198.
掲載日: 2025年8月26日