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深田研の歩み

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深田研の歩み

公益財団法人深田地質研究所(通称深田研)は、昭和29年5月に、故深田錠造氏の寄附を基本財産として創立され、同年10月に当時の文部省から財団法人として認可を受け、我が国初の民間の地質学・地質工学の研究所として誕生しました。創立時に、「地質工学の創造」という理念を掲げ、当時、実際の産業とは必ずしも密接に結びついていなかった地質学を地質工学に発展せしめ、国土の開発やインフラ整備等のための地盤調査技術の研究ならびにその成果の普及を通じて、高度成長期にある我が国の成長、発展に貢献してきました。平成8年10月には、当研究所の理念に賛同される諸氏のご支援のもと、新しい建屋を創立以来の現在地に建て、研究所の設備と研究体制の強化をはかりました。同時に、新しい研修ホールを使用して、地質学やその関連分野の著名な講師による一般向けの講演会として始めた「深田研談話会」は、毎回多くの参加者を得て、現在では研究所の普及活動の重要な柱の1つになっています。平成16年に迎えた創立50周年では、研究所をご支援いただいた多くの皆様とともに、さらなる発展を誓いました。平成20年12月の公益法人制度改革にともない、深田研はさらなる節目を迎えました。内閣府より新しく認定を受け、平成23年4月、公益財団法人深田地質研究所へと生まれ変わりました。深田研が創立時に掲げた地質工学は、環境問題に代表されるような地球全体にかかわる諸問題の解決に役立つ総合地球科学へと発展が期待されています。公益財団法人深田地質研究所は、新しい理念の下、その発展に貢献すべく新しい歩みを始めています。

 

設立趣意書(創立時)
本研究所は、從来、實際の産業と必ずしも密接に結びついていなかった地質学を、応用地質学として、實際の各分野に発展せしめ、その研究の成果を、地質資源の利用、土木建設事業などの科学技術と、正しく結合して、社會の発展に貢獻する事が大きな目標であります。本研究所の対象とする応用地質学とは、土木地質、農林地質、水理地質、災害地質、燃料地質、鑛床学などを含み、電源開発計画にもとずくダムの建設、飲料用、工業用、農業用などの地下水の利用、水害、地辷り、地盤の沈下などの土地災害、地下資源の開発、土壌の科学的利用等々、人間の社會生活に直接関係のある分野であります。

なかでも、本研究所が最も大きな目標とする土木地質、農林地質、災害地質などの所謂、応用地質学の研究は、わが國のみならず、諸外国に於いても極めて不十分な現状であります。

特に敗戦によって、國土は狹小となり、水害、山崩れ、地辷りなどの災害が、頻発する我國の現状にあっては、あらゆる國土の資源を有効に開発、保全すると同時に、災害による被害を出来る限り少くして、國民生活の向上を計らなければならないことは、多言を要しない周知の事であります。

本研究所は、以上の様な目標の、よりよき達成を圖って、斯学の振興をはかり、國民生活に貢献し、併せて、地質技術面での、コンサルチングエンジニアの役割を果たしたきため、同研究所を法人組織にすることによって、公共性を高め、且つその運営の公正を期し、以って、民間地質研究所としての独白の役割を果たそうとするものであります。

-財団法人設立許可申請書(1954年7月7日)による-