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【プレスリリース】岩手県洋野町のアンモナイト類・イノセラムス二枚貝類化石を詳細に研究,3種を岩手県から初発見・地層の年代を改訂[2025.05.15 | 研究事業]

当研究所の相場大佑 主査研究員と岩手県立博物館の望月貴史 専門学芸員の共同研究成果が、Elsevier社刊行のCretaceous Research誌に掲載されました。

岩手県洋野町に分布する浅海堆積物「種市層」からはアンモナイト類やイノセラムス二枚貝類などの大型化石の産出が確認されていますが、その産出は比較的稀で、産出するすべての化石について、これまで十分な研究は行われてきませんでした。

今回の研究では、1970年代から現在までに得られ、岩手県立博物館で保管されていたアンモナイト類・イノセラムス二枚貝類化石の47点の分類を詳細に検討し、9種を報告しました。このうちのアンモナイト類3種は岩手県から初めての記録となります。

また、現地での地質調査および薄片試料での観察などを合わせ、化石の産出層準をある程度絞り込んだ上、時代決定に有効なイノセラムス二枚貝類1種の産出から、種市層の堆積年代がこれまで考えられてきた白亜紀後期サントニアン期だけでなく、カンパニアン期前期まで及ぶことを明らかにしました。

産出するアンモナイト類の構成に着目すると、平滑型の種をほとんど含まず、異常巻型・装飾型などが主であることがわかりました。異常巻型・装飾型は別地域・別年代の浅海層から比較的多く報告されており、今回の結果は、アンモナイト類が好む環境は種類ごとに異なっていた可能性を裏付けるものです。

詳細(プレスリリース本文)はこちら


掲載論文の情報

論文名: Ammonoids and inoceramid bivalves from the Upper Cretaceous shallow marine deposits of Taneichi Formation in Hirono Town, Iwate Prefecture, northeastern Japan: implication for biostratigraphy [日本の東北地域、岩手県洋野町に分布する白亜紀後期の浅海層 種市層から産出したアンモナイト類およびイノセラムス二枚貝類:生層序学的意義]

論文著者: Daisuke AIBA (相場 大佑;深田地質研究所 *責任著者), Takafumi MOCHIZUKI (望月 貴史;岩手県立博物館)

掲載雑誌: Cretaceous Research, vol. 175, 106148.

掲載日: 2025年5月7日

オープンアクセス:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195667125000710?via%3Dihub