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深田研談話会

過去の談話会

2025年度

第204回 「大地震はどのように発生するか。地質学と地震学の学際的立場からの考察」
講師: 遠田 晋次 氏(東北大学災害科学国際研究所災害評価・低減研究分野教授)
日時: 2025年7月11日(金)15:00~16:30
大地震や火山活動にともなう地殻・応力変動に地震活動はどう反応するのか。特に過去30年間、この応力-地震応答について多くの研究が行われてきました。群発地震、本震-余震、前震-本震-余震、双子地震、活動期と静穏期などは、その典型です。本講演では、活動シーケンスとしての能登半島地震、熊本地震の発生プロセスなどを例に、活断層研究と地震のトリガリング研究からみた断層近傍の地震活動の重要性、短期予測につながる視点、典型的な大地震の発生プロセスを紹介します。

第205回 「月面探査など宇宙開発に向けた物理探査技術」
講師: 辻 健 氏(東京大学大学院工学系研究科教授)
日時: 2025年12月2日(火)15:00~16:30
地球外の天体で地震探査を実施し、地下構造を調べることは、理学と工学の多くの目的で必要とされている。例えば工学分野では、浅部地盤の情報が宇宙資源探査や構造物の建設、ローバー駆動部の設計などに必要となる。
本講演では、アポロ計画で月面において取得されたアクティブ地震探査データや、Insight計画で火星で取得されたデータの解析結果を紹介する。さらに将来の宇宙探査に向けた我々の取り組みを紹介する。我々は、超小型震源装置1台と地震計1台を用いることで、アクティブ地震探査を実施するシステムを構築している。着陸船に地震計を設置し、その周辺で宇宙飛行士または自律型ローバーに搭載された小型震源装置からの振動を受信することで、表面波探査で深度10mまでの三次元地質構造を明らかにできる。さらにローバ2台に震源と地震計を搭載することで、反射法と屈折法地震探査で深度数100mまで探査できる自律型地震探査システムの開発を行っている。

第206回 「暴れる気候と暴れない気候~人類は「予測不可能」な時代をどのように生き延びたか~」
講師: 中川 毅 氏(立命館大学総合科学技術研究機構教授)
日時: 2026年1月16日(金)15:00~16:30
地質学的な時間スケールで見たとき、「現代」とはどのような時代なのでしょう。氷期の地球は現代とはまるで似ていない、激しい変動が日常的に繰り返す世界でした。いっぽう、氷期が終わってから現在までのおよそ1万年間の気候は、例外的に温暖で、そして安定しています。その1万年の間に、人類は農耕を開始し、文明を発展させてきました。しかし現代の地質学は、安定した時代が永遠には続かないことを示唆しています。去年までの常識が通用しなくなる「その日」は、いつ訪れるのでしょう。その時のために、人間は何をしておくべきなのでしょう。現代に突きつけられた課題の本当の意味について、最新の地質学の立場から考察します。