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深田研談話会

過去の談話会

2019年度

第192回  「ジルコン年代学に基づく西南日本の地質構造発達史」
講師: 早坂 康隆 氏(広島大学大学院理学研究科准教授)
日時: 2019年4月20日(土) 14:30~16:00
物理化学的に安定なジルコンのU-Pb年代は、238Uと235Uを親核種とする二つの壊変系列による計時がなされることで高い信頼を得ており、SHRIMPやLA-ICP-MSを用いた局所年代分析によって、日々膨大なデータが生み出されている。本講演では、これらのデータを用いた西南日本の地質構造発達史の最近の進歩について概観する。

第193回 「日本の魚類化石を観る」
講師: 宮田 真也 氏(学校法人城西大学 水田記念博物館大石化石ギャラリー学芸員)
日時: 2019年5月18日(土) 14:30~16:00
いわゆる魚類は32000種以上の現生種が知られており、脊椎動物の中で最も多様化したグループである。日本列島では多くの魚類化石が産出し、野外調査の際に偶然発見されるケースもある。全身骨格が保存されている標本は、魚類の進化史の理解につながり、県の化石として指定されているものもある。本講演では、近年行われている日本産の新生代淡水魚類化石や白亜紀の板鰓(ばんさい)類の研究事例を中心に紹介する。

第194回 「海底から探る南海トラフの断層活動と地震履歴」
講師: 芦 寿一郎 氏(東京大学大気海洋研究所 海洋底地質学分野 准教授)
日時: 2019年7月5日(金) 18:00~19:30
南海トラフの巨大地震の繰り返しは古文書や津波堆積物から明らかとなっているが、震源である海域からの情報は非常に乏しい。海域の情報を用いることで、過去の震源推定の精度向上や陸上では記録に残っていない古い時代の地震履歴の解明が期待される。断層活動と地震履歴の研究への海洋地質の取り組みの現状について紹介する。

第195回 「赤色立体地図の発想と応用-1枚の正射画像で立体的に地形を把握できる手法の発見」
講師: 千葉達朗 氏(アジア航測株式会社先端技術研究所 千葉研究室 室長,フェロー)
日時: 2019年11月15日(金) 18:00~19:30
航空レーザ計測による精密な地形データを表現できる「赤色立体地図」は、2002年に青木ヶ原樹海の調査過程で生まれた。本講演ではその作成原理の詳細を発明者自らエピソードを交えて紹介する。また、地球全体の海底地形、月や火星の地形のほか、レーザ顕微鏡による0.1ミクロンメッシュの岩石の表面構造への適用例など、様々なスケールでの応用事例を紹介する。

第196回 「「チバニアン」と地質時代」
講師:  岡田 誠 氏(茨城大学理学部地球環境科学領域 教授)
日時: 2019年12月 13日(金) 18:00~19:30
日本最初の地質時代境界の国際境界模式断面(GSSP)候補「千葉セクション」や、地質時代名称候補「チバニアン」を切り口に、地質学から探る地球の歴史、特に地磁気逆転や氷期−間氷期の変化などの研究手法について、予備知識がなくても理解できるよう解説します。

第197回 「炭鉱と鉄道 ‐釧路炭田を中心に-」
講師: 石川 孝織 氏(釧路市立博物館 学芸専門員)
日時: 2020年 2月 7日(金) 18:00~19:30
切羽で採掘された石炭は、選炭工場でズリ(ボタ)を選り分けて、鉄道と船で需要地へ運ばれます。北海道や九州など産炭地では多くの「炭鉱鉄道」が敷設されましたが、その多くは閉山により廃止に。日本唯一の坑内掘り炭鉱がある釧路市でも、石炭の地産地消化により「太平洋石炭販売輸送㈱臨港線」が昨年6月に廃止され、国内から炭鉱鉄道は姿を消しました。本談話会では、鉄道という切り口から地下資源・石炭を考えます。