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深田研談話会

過去の談話会

2015年度

第165回  「インドネシア共和国グンディガス田でのCCSパイロットテスト」
講師: 松岡 俊文 氏(京都大学 名誉教授, 深田地質研究所 理事)
日時: 2015年4月17日(金) 15:00~17:00
産油国であるインドネシア中部ジャワ州のグンディガス田では、地下から生産されるガス成分の約20%が二酸化炭素であり、これは分離・回収された後、大気放散されている。現在この大気放散されている二酸化炭素を地中に圧入しようというCCSのパイロットテストが、日本とインドネシアの研究者の協力で進んでいる。このプロジェクトの意義と将来について解説する。

第166回  「世界遺産・富士火山の自然と防災」
講師: 小山 真人 氏(静岡大学 教授)
日時: 2015年5月15日(金) 15:00~17:00
世界文化遺産の仲間入りをした富士山であるが、自然遺産としての価値が不当に軽く扱われている。また、その一方で噴火に備えた広域避難計画が策定されるなどの防災対策が急ピッチで進められている。本講演は、富士山の生い立ち・噴火史・災害予測に関する研究や対策の現状を紹介するとともに、その保護の在るべき姿を説く。

第167回(現地) 「地形散歩」
講師: 滝口 志郎 氏(深田地質研究所 理事長・主席研究員)
日時: 2015年10月31日(土) 10:00~16:00
自分の住んでいる近くの崖や坂はなぜそこにあるのでしょうか。身近にある地形の成り立ちを知るとその地形に対する親近感が増します。今回は当研究所を出発して、山手と下町を境する海食崖や台地の中の川の跡をたどり、三四郎池を通って上野の不忍池まで歩きます。今は暗渠になっている谷田川(藍染川)と呼ばれた小河川が広大な川幅を有していること、不忍池がなぜ形成され存続しているかなどを考えてみたいと思います。
見学場所:1. 深田研~ 2. 動坂~ 3. 西日暮里公園(昼食)~ 4. 五重塔跡~ 5. へび道~ 6. 根津神社~ 7. 三四郎池~ 8. 不忍池

第168回  「内陸地震はなぜ起こるのか?」
講師: 飯尾 能久 氏(京都大学防災研究所 教授, 地震予知研究センター長)
日時: 2015年11月20日(金) 15:00~17:00
海洋プレートの沈み込みにより内陸のプレートが圧縮されて、内陸地震が発生するとなんとなく考えられていた。しかし、海溝型の巨大地 震により内陸の歪みは時々解放されるため、内陸のプレートを単純な弾性板と見なす限りは、内陸の断層に加わる応力を長期間にわたって増加させることは出来ない。内陸のプレート内の非弾静的な変形を考える必要があり、下部地殻のやわらかい領域の役割が重要である。

第169回  「多発化・激甚化する土砂災害を防ぐために」
講師: 池谷 浩 氏(一般財団法人 砂防・地すべり技術センター 研究顧問)
日時: 2016年2月12日(金) 15:00~17:00
2014年8月の広島土砂災害をはじめとして、近年、悲惨な人的被害を伴う土砂災害が全国的に多発している。特に雨の降り方が変化してきていて、全国どこででも過去に例のない豪雨が降ることがあり得ることが明らかになってきた。一方、人間社会では高齢化が進展し、いわゆる災害弱者が増加するなど更なる土砂災害の多発化・激甚化が予想されている。そこで多発化・激甚化する土砂災害についてその実態を知り、いかに土砂災害を防止・軽減するかについて、最新の情報も含めた講話をするものである。

第170回  「地球環境と生命の共進化 ―全球凍結と大気酸素濃度の増加―」
講師: 田近 英一 氏(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 教授)
日時: 2016年3月11日(金) 15:00~17:00
いまから約23億年前、地球全体が氷に覆われる「全球凍結(スノーボールアース)イベント」が生じた。その直後、それまで大気中にはほとんどなかった酸素の濃度が急激に上昇した。生命の進化に大きな影響を与えたと考えられるこの一連の現象が、いったいどのような因果関係にあったのかについて議論する。