当研究所と静岡大学総合防災研究センター等との共同研究成果が朝日新聞朝刊(2022年7月16日)と静岡新聞朝刊(2022年7月16日)に紹介されました。
本土石流では,盛土崩壊箇所よりも上の集水域が非常に小さいにも関わらず,水量が非常に多かったことが当初から指摘されていましたが,その原因は明らかではありませんでした。今回の研究は,崩壊した盛土の下には土石流堆積物があり,その下には不透水の粘土が広く存在していること,また,この土石流堆積物は2か所で過去に地すべりを起こしたことを明らかにし,その傷跡からの地下水出水が盛土崩壊の引き金になったと推定しています。
熱海の土石流「盛り土の下から出た大量の水が引き金か」 静岡大など:朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASQ7H6SBDQ7HUTPB001.html
「堆積土砂の上に盛り土 京大名誉教授静大など調査 「湧水が崩落引き金」」
https://fukadaken.or.jp/wp-content/uploads/静岡新聞0716.pdf
研究成果は下記論文に掲載されています。
題名: 熱海市逢初川盛土崩壊の地質的原因について
誌名: 静岡大学地球科学研究報告, 49号.
著者: 千木良雅弘1, 2,北村晃寿2, 3,木村克己1,市村康治4
1: 公益財団法人 深田地質研究所,2: 静岡大学防災総合センター,3: 静岡大学理学部地球科学科,4: 東京大学大学院理学系研究科技術部